Bring me to life [小説 ]
もう、私は何もかも、どうでも良くなった。
私なんて消え去ればいい。
涙も出なくなった瞳を、私は閉じた。
気がつくと、私はピアノの前に座っていた。
私はピアノを弾いていたの?
よくわからない・・・。
私がどうしてここにいるのか、まったく理解が出来ない。
辺りを見ると、真っ暗闇に包まれて、目の前にあるピアノ以外に何があるかわからない。
だけど、私がピアノの前に座っているのは事実だ。
暗闇の中から気配がする。
それは、私に近づこうとしていた。
それの正体はわからない。
わからないものが、私の側に来て囁く。
おまえはこちら側に来なければならない。
暗闇の中、私は何かをしようとも思わないけど、それのいう事を聞こうとも思わない。
それは執拗に私を誘う。
私はそちら側に行かなきゃいけないの・・・?
私は立ち上がる。
誰かが私を呼んでいる。
その声に耳をやるなとそれが怒ったように言う。
そして、私の近くにそれは寄る。
それが私を包み込もうとした時、私は生きたいと思った。
私は生きたい・・・。
座っていた椅子を持ち上げ、私が振り回すと何かに当たって、真っ暗闇の中に一筋の光が入った。
その光から、私を呼ぶ声がする。
私を包み込もうとしたのに失敗したそれは、気に入らない様子で離れていく。
気がつくと、私は真っ白な壁に包まれていた。
いや、病室の中と言った方が正解か。
「良かった・・・。目が覚めたみたいだな」目の前のサラサラな黒髪が美しい男が、ホッとしたように言った。
「私は・・・?」上半身を起こすと、左腕に埋め込まれている点滴の針が痛かった。
「君は大量な薬とお酒を飲んで・・・、手首を・・・」男の顔色がサッと暗くなった。
私の手首には真っ白な包帯が巻かれていた。
私は何を・・・?
その時、私の頭に映像が浮かんだ。
私の大切な人が、私の目の前で車に撥ね飛ばされた。
彼は即死だった。
彼の葬儀が終わると、彼との思い出の溢れる部屋で大量の睡眠薬とお酒を飲んで、手首を切ったのだ。
「僕が見つけなかったら、君は・・・」
「どうして私を見つけたの?」
「君がいなければ、僕は・・・」ふいに男は私を抱きしめた。
私が彼を押し、体を離すと、驚く事に彼は死んだはずの私の大切な人だった。
「どうしてあなたが・・・!?」
「僕はいつでも君と一緒だよ」と彼は微笑んで、私の唇にキスをした。
私は彼が生きていてくれた嬉しさを噛み締めながら、彼の胸に顔を埋めた。
彼女を胸に抱きながら、彼はにやりと笑った。
ピー。
機械が音を立てた。
彼女の眠るベッドの傍らにいる白い服を着た人は、黙って首を横に振った。
彼女はベッドの上でとても幸せそうな微笑みを浮かべていた。
(おしまい)
私の書く作品にしては、かなりダークだと思いますが、いかがでしたか?
普段は能天気ちゃんな私ですが、ごくたまーにこんな感じでダークな世界にいってしまう事があります。
このお話のタイトルは、Evanescenceというロックバンドの曲からいただきました。
イントロのピアノソロが印象的なのに、中身はかなり激しいロックな曲でございます。
良かったら、この曲を聴きながら、このお話を読んでみてくださいね。
あ、あと、このお話は決して自殺を勧めているものではないです。
私も落ち込む事はありますが、自殺しようとは思いもしないので・・・。
だって、まだOasisのNOELやTHE MUSICのROBにも会えてないのに、もしかしたら、この先会える可能性があるのに死んでしまうなんてもったいない(笑)
私の辞書には自殺という文字はないです。
では、最後まで読んでくれて、どうもありがとうございます。
良かったら、次回もまた読んでやってくださいね。
私なんて消え去ればいい。
涙も出なくなった瞳を、私は閉じた。
気がつくと、私はピアノの前に座っていた。
私はピアノを弾いていたの?
よくわからない・・・。
私がどうしてここにいるのか、まったく理解が出来ない。
辺りを見ると、真っ暗闇に包まれて、目の前にあるピアノ以外に何があるかわからない。
だけど、私がピアノの前に座っているのは事実だ。
暗闇の中から気配がする。
それは、私に近づこうとしていた。
それの正体はわからない。
わからないものが、私の側に来て囁く。
おまえはこちら側に来なければならない。
暗闇の中、私は何かをしようとも思わないけど、それのいう事を聞こうとも思わない。
それは執拗に私を誘う。
私はそちら側に行かなきゃいけないの・・・?
私は立ち上がる。
誰かが私を呼んでいる。
その声に耳をやるなとそれが怒ったように言う。
そして、私の近くにそれは寄る。
それが私を包み込もうとした時、私は生きたいと思った。
私は生きたい・・・。
座っていた椅子を持ち上げ、私が振り回すと何かに当たって、真っ暗闇の中に一筋の光が入った。
その光から、私を呼ぶ声がする。
私を包み込もうとしたのに失敗したそれは、気に入らない様子で離れていく。
気がつくと、私は真っ白な壁に包まれていた。
いや、病室の中と言った方が正解か。
「良かった・・・。目が覚めたみたいだな」目の前のサラサラな黒髪が美しい男が、ホッとしたように言った。
「私は・・・?」上半身を起こすと、左腕に埋め込まれている点滴の針が痛かった。
「君は大量な薬とお酒を飲んで・・・、手首を・・・」男の顔色がサッと暗くなった。
私の手首には真っ白な包帯が巻かれていた。
私は何を・・・?
その時、私の頭に映像が浮かんだ。
私の大切な人が、私の目の前で車に撥ね飛ばされた。
彼は即死だった。
彼の葬儀が終わると、彼との思い出の溢れる部屋で大量の睡眠薬とお酒を飲んで、手首を切ったのだ。
「僕が見つけなかったら、君は・・・」
「どうして私を見つけたの?」
「君がいなければ、僕は・・・」ふいに男は私を抱きしめた。
私が彼を押し、体を離すと、驚く事に彼は死んだはずの私の大切な人だった。
「どうしてあなたが・・・!?」
「僕はいつでも君と一緒だよ」と彼は微笑んで、私の唇にキスをした。
私は彼が生きていてくれた嬉しさを噛み締めながら、彼の胸に顔を埋めた。
彼女を胸に抱きながら、彼はにやりと笑った。
ピー。
機械が音を立てた。
彼女の眠るベッドの傍らにいる白い服を着た人は、黙って首を横に振った。
彼女はベッドの上でとても幸せそうな微笑みを浮かべていた。
(おしまい)
私の書く作品にしては、かなりダークだと思いますが、いかがでしたか?
普段は能天気ちゃんな私ですが、ごくたまーにこんな感じでダークな世界にいってしまう事があります。
このお話のタイトルは、Evanescenceというロックバンドの曲からいただきました。
イントロのピアノソロが印象的なのに、中身はかなり激しいロックな曲でございます。
良かったら、この曲を聴きながら、このお話を読んでみてくださいね。
あ、あと、このお話は決して自殺を勧めているものではないです。
私も落ち込む事はありますが、自殺しようとは思いもしないので・・・。
だって、まだOasisのNOELやTHE MUSICのROBにも会えてないのに、もしかしたら、この先会える可能性があるのに死んでしまうなんてもったいない(笑)
私の辞書には自殺という文字はないです。
では、最後まで読んでくれて、どうもありがとうございます。
良かったら、次回もまた読んでやってくださいね。
先日、『世にも奇妙な物語・レジェンド』(スマップの5人が出演しているの♪)を観ました。
このお話はそのシリーズに加えてもおかしくないほどですね^^v
by linda (2008-05-03 10:09)
>>彼はにやりと笑った。
ゾクッとしたよぉ。
by Brownie (2008-05-03 11:45)
どうしたんですか?いきなり
何も心の迷いをこんな風に表現しなくても。
いやー、看護婦シリーズ楽しみですね。
どこか勘違いしている奴≒
by EF135L (2008-05-03 19:38)
最後がとても切ないですが、悲しくもやさしい、とてもいい作品だと思いました。
by ぴょんま (2008-05-03 19:40)
lindaさん、ダブルでありがとうございます!
私も中居くんのだけみました。
オトナ免許だったけな?
最後のオチと広末が良かったです^^
Brownieさんもダブルでありがとうございます!
ゾクっとしてくれましたか?
その一言で書いたかいがありました^^v
EF135Lさんもダブルでありがとうございます!
あはは^^;
いきなりですよねぇ・・・。
前から頭にあったことを、ちょっと書いてみたんですが。
ぴょんまさんもダブルでありがとうございます!
そう思っていただけましたか?嬉しいです^^w
ラストはいろいろと考えて、こんな風になってしまいました。
はっこうさん、清澄白河さん、umokoさんたちもnice!をありがとうございました!
by やっちゃん (2008-05-03 22:30)