僕の世界が変わる時 後編 [小説 女セクハラ日記]
良かったら、前編も読んでやってください。
『僕の世界が変わる時 前編』
「直人、そんなに可愛いから、こんな事されちゃうのよ」あの歓迎会の時、僕の肩で眠っていた紗香さんは、目を覚まし、隣りにいる僕の耳元でそう囁くと・・・。
あの後、結局は紗香さんを部屋の前まで運んでいったけど、槙村さんが僕を部屋に入れてくれなかったから、しょうがなく帰ってきた。
僕の頭からあのキスが離れる事がなかったけど、紗香さんとのキスは一回だけで、彼女も酔っていたから事故みたいなもの。
僕には沙紀がいるから、早く忘れないと。
そう思って、翌日の僕の有休のときに、沙紀の仕事が終わるのを待って彼女を呼び出した。
いつものように彼女とキスをしたりセックスしたりしても、頭の中には紗香さんがいて、何をしても離れてくれなかった。
紗香さんのキスは、激しくて、いやらしいくせに、彼女に肩を叩かれたりした時に感じる優しさというかぬくもりも感じるものだった。
こんな気持ちで沙紀と付き合っていくのは、彼女に失礼と思い、僕は沙紀に別れを告げた。
突然の僕の別れ話に、沙紀は泣いて喚いて、僕をひっぱたいた。
その翌日に、沙紀からはごめんなさい、会って謝りたいもう一度話し合いをしたいと言われたが、会っても僕の気持ちは変わらないし、正直、彼女にあまり会いたくなかった。
週末のカラオケ屋のバイトは、沙紀の為だったけど、今は僕が紗香さんに会いたいからという理由に変わった。
「直人、おっはよー」土曜日の夕方に僕が出勤すると、紗香さんは僕に飛びついて抱きしめてくれる。
僕は事務所に誰もいないのを確認して、紗香さんの背中に腕を回して力を入れた。
「どうした?直人。バイトばかりで女に会ってないから、欲求不満なの?適度に抜かないと体に悪いぞ」僕から体を離しながらそう言って、紗香さんは僕の肩を叩いて事務所から出てった。
欲求不満って・・・。
ホント、なんで、あんな下ネタをずけずけ言う女の人を好きになったんだろう。
僕は溜息をつきながら、更衣室に入って着替えた。
そして、事務所から出て、カウンターを通らないと厨房に入れないから、僕はそちらに向かった。
カウンターには、楽しそうに笑いながら槙村さんのお尻を触っている紗香さんがいた。
直接、聞いたわけじゃないけど、態度から見て、槙村さんは紗香さんの事が好きなんだろう。
好きでもない女の人に、自分の尻なんて、僕だったら触らせないし、槙村さんの言動がすべてを物語っている。
それでも、常識として挨拶はしないと、と思い槙村さんに挨拶をしながら、厨房に入った。
厨房にいる靖と結希にも挨拶をするが、紗香さんと槙村さんが何を話しているのかが気になる。
紗香さんも槙村さんの事が好きなんだろうか?
胸がじりじりと痛む。
そりゃ、紗香さんと槙村さんは店長と副店長という事もあるし、普段でも仲がいいのはわかるけど・・・。
今まで、女の子に対してこんな気持ちになる事なんてなかった。
今まで付き合ってきた女の子は、年下がほとんどで、一様におとなしい感じの子が多かったから、男にあんな風にベタベタを触る子なんていないし、そんな女の子を好きにならなかった。
大体、女の子の方から言われて付き合ってきた事が多いから、自分から告白なんてしたことも、あったのだろうけど、思い出せない。
紗香さんは、僕の事はどう思っているんだろう?
これだけ抱きついたり、触ったり、キスもしてきたのだから、多分、僕と同じ気持ちなのかな?
「やっぱり、マキのケツは最高だよねぇ」耳を澄ましていると、紗香さんのご機嫌な声がした。
この内容に、まるで槙村が最高と言われた気分になり、僕は落ち込んだ。
「つか、紗香、んな恥ずかしい事を言うなよ」声を潜めた槙村の話し声がする。
「ふーん。なら、私、直人のケツ触ってくる」
「待て。それはダメだ。あいつのなんて、大したことないぞ。あんなにちっちゃいんだから・・・」言いたい放題の槙村にムカつき、僕は思わず厨房から出た。
「僕が背が低いからなんなんですか?大したことないかどうかは槙村さんじゃなくて、紗香さんが決める事でしょう?」僕が一番気にしている事を槙村が言うものだから、ムキになって言い返した。
「そうよ、マキは言いすぎよ。直人、こんな背ばっか高いでくの坊みたいなヤツの言うこと気にしないでね」
「・・・。紗香さんは僕みたいな背の低い男はダメですか?」
「ううん。好きになっちゃったら、身長なんて関係ないと思うよ」輝くような笑顔でそう言うと、槙村の脇腹に軽くパンチを入れながら、僕の尻を叩いた。
触られたわけではなく、軽く叩かれただけなのに、僕の体に電流が走った。
槙村が毎日こんな事をされていると思うと、無性に腹が立ち、僕は槙村をにらみつけながら厨房に戻った。
「菊池さん、一体どうしたんっすか?」富岡結希が驚いたように、目を見張りながら僕の肩を叩いた。
「どうしたって、何もないよ」
「いやいや菊池さん、何もなくはないから。ひょっとして、紗香さんの事が好きになっちゃったとか?」からかうように言いながら、結希は僕の顔を覗きこんだ。
「な・・・、そ、そんな事は・・・」いきなり図星をさされて、口ごもっていると、それまでにやにやしていた結希は顔を引き締めた。
「紗香さんにキスされたヤツらはみんなそうだからなぁ・・・。まあ、大変だと思うけど、頑張ってよ」ちらりと兄の靖に目をやりながら言った。
そんな結希の言葉に靖は少し困ったような表情で笑ったが、オーダーが入ってきたものだから仕事に戻った。
紗香さんは、あれから僕に携帯を聞いてくることがなくて、紗香さんの連絡先を知りたい僕はイライラしていた。
いくら、僕が遠まわしに彼女と別れたと言っても聞き流されてた。
たまたま、紗香さんと事務所で二人きりになった時、イライラが溜まっていた僕は紗香さんに思わず言ってしまった。
「紗香さんは彼氏とか好きな人はいるの?」いないという言葉を期待して、僕は紗香さんに声をかけた。
「うーん・・・。別に。かと言って嫌いな人もいないし・・・」僕の質問の意図がわかりかねるのか、首をかしげながら仕事の手を止めて僕を見た。
「それなら、僕の事は?」
「見た目はパーフェクトだね。私の好みだよ」彼女の言葉に有頂天になり、思わず紗香さんの座っているデスクに駆け寄った。
「だったら、何で、携帯とか聞いてくれないんですか?」
「・・・?だって、直人、彼女がいるからって言ってたじゃない。自分で言った事なのにヘンな直人」紗香さんは大きくため息をつくと、呆れたように立ち上がり事務所から出て行った。
あれだけ彼女と別れたって言ったのに・・・。
改めて、ちょっと変わった人を好きになって少し後悔したが、そんな事よりも、僕は紗香さんの事がもっと知りたいし、彼女に触れたいと思った。
こんな事になるなら、あの時、沙紀がいても教えておくべきだったなぁ、なんて思って、僕は自分が以前の、紗香さんと出会う前の自分と変わった事に気がつく。
今まで、女の子を好きになって、こんなにスムーズにいかないのは初めてかもしれない。
僕は制服に着替えると、重い足取りを引きずるように事務所から出た。
(僕の世界が変わる時後編 終わり)
後編まで読んでくれて、どうもありがとうございます!!
本編の『女セクハラ日記』はまだまだ続きますので、お付き合いをヨロシクです。
モバゲー版の方は、少し進んでまして、もう7月に入っております。
こちらはかなりゆっくりの更新になりますが、のんびり待っててやってください。
話は変わりますが、昨日、何年かぶりに釣りに行ってきたのですが、結構釣れて、楽しかったです。
まあ、私がやる釣りなんで、所詮、ハゼ程度ですが(笑)
ショコラたちを連れてのお出かけなので、思う存分遊べた気がします。
やっぱり、犬を家でお留守番させていると、かわいそうで不安になります。
犬を連れていけるカフェや飲み屋が、うちの近くに出来てくれればいいのになぁ(笑)
それでは、今回も最後まで読んでくれて、どうもありがとうございます。
良かったら、次回も読んでくださいね!!
『僕の世界が変わる時 前編』
「直人、そんなに可愛いから、こんな事されちゃうのよ」あの歓迎会の時、僕の肩で眠っていた紗香さんは、目を覚まし、隣りにいる僕の耳元でそう囁くと・・・。
あの後、結局は紗香さんを部屋の前まで運んでいったけど、槙村さんが僕を部屋に入れてくれなかったから、しょうがなく帰ってきた。
僕の頭からあのキスが離れる事がなかったけど、紗香さんとのキスは一回だけで、彼女も酔っていたから事故みたいなもの。
僕には沙紀がいるから、早く忘れないと。
そう思って、翌日の僕の有休のときに、沙紀の仕事が終わるのを待って彼女を呼び出した。
いつものように彼女とキスをしたりセックスしたりしても、頭の中には紗香さんがいて、何をしても離れてくれなかった。
紗香さんのキスは、激しくて、いやらしいくせに、彼女に肩を叩かれたりした時に感じる優しさというかぬくもりも感じるものだった。
こんな気持ちで沙紀と付き合っていくのは、彼女に失礼と思い、僕は沙紀に別れを告げた。
突然の僕の別れ話に、沙紀は泣いて喚いて、僕をひっぱたいた。
その翌日に、沙紀からはごめんなさい、会って謝りたいもう一度話し合いをしたいと言われたが、会っても僕の気持ちは変わらないし、正直、彼女にあまり会いたくなかった。
週末のカラオケ屋のバイトは、沙紀の為だったけど、今は僕が紗香さんに会いたいからという理由に変わった。
「直人、おっはよー」土曜日の夕方に僕が出勤すると、紗香さんは僕に飛びついて抱きしめてくれる。
僕は事務所に誰もいないのを確認して、紗香さんの背中に腕を回して力を入れた。
「どうした?直人。バイトばかりで女に会ってないから、欲求不満なの?適度に抜かないと体に悪いぞ」僕から体を離しながらそう言って、紗香さんは僕の肩を叩いて事務所から出てった。
欲求不満って・・・。
ホント、なんで、あんな下ネタをずけずけ言う女の人を好きになったんだろう。
僕は溜息をつきながら、更衣室に入って着替えた。
そして、事務所から出て、カウンターを通らないと厨房に入れないから、僕はそちらに向かった。
カウンターには、楽しそうに笑いながら槙村さんのお尻を触っている紗香さんがいた。
直接、聞いたわけじゃないけど、態度から見て、槙村さんは紗香さんの事が好きなんだろう。
好きでもない女の人に、自分の尻なんて、僕だったら触らせないし、槙村さんの言動がすべてを物語っている。
それでも、常識として挨拶はしないと、と思い槙村さんに挨拶をしながら、厨房に入った。
厨房にいる靖と結希にも挨拶をするが、紗香さんと槙村さんが何を話しているのかが気になる。
紗香さんも槙村さんの事が好きなんだろうか?
胸がじりじりと痛む。
そりゃ、紗香さんと槙村さんは店長と副店長という事もあるし、普段でも仲がいいのはわかるけど・・・。
今まで、女の子に対してこんな気持ちになる事なんてなかった。
今まで付き合ってきた女の子は、年下がほとんどで、一様におとなしい感じの子が多かったから、男にあんな風にベタベタを触る子なんていないし、そんな女の子を好きにならなかった。
大体、女の子の方から言われて付き合ってきた事が多いから、自分から告白なんてしたことも、あったのだろうけど、思い出せない。
紗香さんは、僕の事はどう思っているんだろう?
これだけ抱きついたり、触ったり、キスもしてきたのだから、多分、僕と同じ気持ちなのかな?
「やっぱり、マキのケツは最高だよねぇ」耳を澄ましていると、紗香さんのご機嫌な声がした。
この内容に、まるで槙村が最高と言われた気分になり、僕は落ち込んだ。
「つか、紗香、んな恥ずかしい事を言うなよ」声を潜めた槙村の話し声がする。
「ふーん。なら、私、直人のケツ触ってくる」
「待て。それはダメだ。あいつのなんて、大したことないぞ。あんなにちっちゃいんだから・・・」言いたい放題の槙村にムカつき、僕は思わず厨房から出た。
「僕が背が低いからなんなんですか?大したことないかどうかは槙村さんじゃなくて、紗香さんが決める事でしょう?」僕が一番気にしている事を槙村が言うものだから、ムキになって言い返した。
「そうよ、マキは言いすぎよ。直人、こんな背ばっか高いでくの坊みたいなヤツの言うこと気にしないでね」
「・・・。紗香さんは僕みたいな背の低い男はダメですか?」
「ううん。好きになっちゃったら、身長なんて関係ないと思うよ」輝くような笑顔でそう言うと、槙村の脇腹に軽くパンチを入れながら、僕の尻を叩いた。
触られたわけではなく、軽く叩かれただけなのに、僕の体に電流が走った。
槙村が毎日こんな事をされていると思うと、無性に腹が立ち、僕は槙村をにらみつけながら厨房に戻った。
「菊池さん、一体どうしたんっすか?」富岡結希が驚いたように、目を見張りながら僕の肩を叩いた。
「どうしたって、何もないよ」
「いやいや菊池さん、何もなくはないから。ひょっとして、紗香さんの事が好きになっちゃったとか?」からかうように言いながら、結希は僕の顔を覗きこんだ。
「な・・・、そ、そんな事は・・・」いきなり図星をさされて、口ごもっていると、それまでにやにやしていた結希は顔を引き締めた。
「紗香さんにキスされたヤツらはみんなそうだからなぁ・・・。まあ、大変だと思うけど、頑張ってよ」ちらりと兄の靖に目をやりながら言った。
そんな結希の言葉に靖は少し困ったような表情で笑ったが、オーダーが入ってきたものだから仕事に戻った。
紗香さんは、あれから僕に携帯を聞いてくることがなくて、紗香さんの連絡先を知りたい僕はイライラしていた。
いくら、僕が遠まわしに彼女と別れたと言っても聞き流されてた。
たまたま、紗香さんと事務所で二人きりになった時、イライラが溜まっていた僕は紗香さんに思わず言ってしまった。
「紗香さんは彼氏とか好きな人はいるの?」いないという言葉を期待して、僕は紗香さんに声をかけた。
「うーん・・・。別に。かと言って嫌いな人もいないし・・・」僕の質問の意図がわかりかねるのか、首をかしげながら仕事の手を止めて僕を見た。
「それなら、僕の事は?」
「見た目はパーフェクトだね。私の好みだよ」彼女の言葉に有頂天になり、思わず紗香さんの座っているデスクに駆け寄った。
「だったら、何で、携帯とか聞いてくれないんですか?」
「・・・?だって、直人、彼女がいるからって言ってたじゃない。自分で言った事なのにヘンな直人」紗香さんは大きくため息をつくと、呆れたように立ち上がり事務所から出て行った。
あれだけ彼女と別れたって言ったのに・・・。
改めて、ちょっと変わった人を好きになって少し後悔したが、そんな事よりも、僕は紗香さんの事がもっと知りたいし、彼女に触れたいと思った。
こんな事になるなら、あの時、沙紀がいても教えておくべきだったなぁ、なんて思って、僕は自分が以前の、紗香さんと出会う前の自分と変わった事に気がつく。
今まで、女の子を好きになって、こんなにスムーズにいかないのは初めてかもしれない。
僕は制服に着替えると、重い足取りを引きずるように事務所から出た。
(僕の世界が変わる時後編 終わり)
後編まで読んでくれて、どうもありがとうございます!!
本編の『女セクハラ日記』はまだまだ続きますので、お付き合いをヨロシクです。
モバゲー版の方は、少し進んでまして、もう7月に入っております。
こちらはかなりゆっくりの更新になりますが、のんびり待っててやってください。
話は変わりますが、昨日、何年かぶりに釣りに行ってきたのですが、結構釣れて、楽しかったです。
まあ、私がやる釣りなんで、所詮、ハゼ程度ですが(笑)
ショコラたちを連れてのお出かけなので、思う存分遊べた気がします。
やっぱり、犬を家でお留守番させていると、かわいそうで不安になります。
犬を連れていけるカフェや飲み屋が、うちの近くに出来てくれればいいのになぁ(笑)
それでは、今回も最後まで読んでくれて、どうもありがとうございます。
良かったら、次回も読んでくださいね!!
女性にお尻を触られて、何で嫌な顔をする必要があるのかな?
到底理解できません。否むしろ、ズボンを履いているとは言え
ばっちぃいんじゃねぇの、だったら脱ごうか?すると人目も憚らず
オッと失礼、イヤハヤ取り乱してしまい申し訳ない…?
たまっているので。
男性のその多くは、
この様に表現するのです。お分かりいただけたでしょうか?
次回の講座は後日お知らせします、良しなに。ではまた?!
by EF135L (2008-10-01 06:28)
EF135Lさん、遅くなりましたがダブルでありがとうございます!!
そうですかー。
男の人はお尻触られても、嫌な気分にならないんだ・・・。
参考になりました(笑)
by やっちゃん (2008-11-15 05:51)